私はサラリーマンで、今の会社で3社目になります。
1社目は小さな開発型中小企業、2社目は大手家電メーカー、3社目も大手家電メーカーです。いずれも設計開発の関わるポジションで働いています。
今日はその中で商品開発の進め方について、設計開発部門における担当の役割について記事にしてみます。
商品開発 設計
以前に、商品開発ってなんでしょうか?というのを記事にしましたので、参考までに
下記を見てもらえるとありがたいです。
↓
厳密に言うと、開発と設計は意味が違いますが、ここではほぼ同義として扱っていきます。
(言葉がぶれててすんません)
私が経験してきた家電での設計開発部門では、商品開発をするときに大体以下のメンバー構成人員配置で行います。
ちなみに、関連部門、および横串部門は除きます。あくまでプロジェクトリーダー(チームマネージャー)目線で今回は説明します。
プロジェクトリーダー管轄の組織
プロジェクトリーダー略してPLが管轄する組織は以下のようなイメージです。
①PL(プロジェクトリーダー)
PLは字のごとくプロジェクト=1製品の開発責任者です。
以下に記載のメンバーを束ね、関連部門と交渉します。そしてプロジェクトの承認権を持っています。
図面の最終承認権ももっていることが多いです。
②商品企画 x 1人
開発側からみた商品企画の専門の人です。営業と折衝したり、自身でマーケティングし
設計者との橋渡しをし、商品企画書を起案することが仕事です。
③構造設計チーム チーフ x 1人
構造チーフとよばれる機構設計のリーダーが大体います。リーダーは構造図面の全体を把握しており、サブASSYと言われる仮組み立て品と仮組み立て品の勘合や、全体バランス、構成などを決めます。
実質PL以下の中では一番権限があると思います。
図面では照査、検印、決定を行います。
④構造設計チーム 担当 x 1~3人
構造チーフの指示のもと実際に設計を行うメンバーです。プロジェクト規模にもよりますが、家電クラスだと、大体1~3人ぐらいで実行していきます。場合によっては設計専門の派遣社員を雇ったりすることもあります。
デザインや、性能要求に対し、構造設計をします。構造設計といってもかなり仕事は様々で、図面を書くだけが仕事ではありません。当然、設計計算、材料選定、部品配置など図面化するためには様々な事前準備が必要です。
プラスチックや板金が必要な商品であれば、設計担当が金型メーカーと打合せし、金型が成り立つ形状に図面を修正したりします。
また、生産現場では、自分が書いた図面に対し、物がきちんとできているかどうかを製造現場に見に行くことも多いです、
⑤性能チーム チーフ x 1人
性能チーフは、商品全体の性能目標値の設定および、性能を実現するための制御など
構造以外の部分を設計のリーダーです。構造リーダーと共に、商品の性能数値を担保することになります。
例えば、構造以外の要素技術のフォローや、制御仕様を検討したりするのも性能チームの役割になります。
⑥性能チーム 担当 x 2人
性能チーフの元、実際に仕様決定にむけ性能試験を実施してみたり、制御を検討するうえでの閾値の見極めを行ったりします。構造はバッチりな物ができていても、それをどのように動かすかで性能はきまります。商品の基本機能では特に、重要な設計ポイントとなります。
まとめ
上記メンバーを足すと、大体10人ぐらいで1プロジェクトを新規で設計することが多いような気がします。
実際には、毎年フルモデルチェンジで商品を開発する会社はすくないと思いますんので、一度母体が完成すると、次年度、次々年度はマイナーチェンジで色変えや、少しのデザインチェンジをすることが多いため、次年度、次々年度では人数は3人ぐらいと約1/3になることが多いですね。場合によっては一人でマイナーチェンジをやることも多いように思います。
また、実際には専属の設計というのは結構少なく、色々なプロジェクトを掛け持ちですすめることが多く、開発期間の短い商品などは同時にかなりの機種をかけ持つことがあります。
私の経験で最大は、メインのフルモデルを持ちながら、30機種同時進行なんてこともありましたねー。
死ぬかと思うぐらい忙しかったですがね。今思えば、良い経験です。
ではまた!