私はこれまでに、おもちゃ、家電などの20年ほど開発業務に携わってきたエンジニアです。
その中で、これまでに経験した商品開発のついて、家電の商品開発とは?プロセスは?について今日は書きたいと思います。
商品開発とは?
商品開発って何よ?って感じですが、簡単に言うと、お客様のニーズを具現化することと考えています。
色々な考え方があり、商品企画があって、その後商品開発という考え方もありますが、ここで言う商品開発は商品企画を含む全体のことをいいます。
商品開発は、おおよそ市場調査→商品企画→商品設計→商品生産→販売流れで行います。
当然、進めていく中で市場がかわって、途中変更もあります。
それぞれの開発プロセスついて
商品開発のそれぞれのステップの内容について簡単に説明していきます。
〇市場調査
まずは状況把握が必要です。市場で人々がどんなものを求めているか、どんな環境変化があるか、ライバルはどんなことをしているかなど、様々な角度で市場を分析にし、どこにどんなビジネスチャンスがあるかを調査していきます。
この段階では仕様は決定せず、状況把握が目的となっています。
また、重要なポイントは数値化です。
最近これ流行ってるよなーとかよくありますが、はやっているという情報だけでは不足しており、過去に比べて、どれくらい流行っているのかの具体的数値指標に落とし込み、グラフ化できるようにすることが重要と考えております。
なぜかというと、商品の仕様を決定する際に、目標値が必要だからです。
例えば、これ流行ってるから、さらにこんな商品をだして流行らしたい!と思っても、どこまでいったら流行ったといえるのか、具体的数値目標を設定しなければ、どれくらいの仕様にしてよいかわからないものです。
〇商品企画
次に商品企画ですが、上記の市場調査の結果を踏まえて、こんな商品あったらよいな、こんな機能があったらいいな、こんな性能のものがあったらいいなを検討します。
仕様もですが、どのように販売するかの販売戦略も必要です。
このタイミングで“商品の仕様”を決定していくのですが、主に下記情報が必要になります。
・開発の狙い
どんな市場のどんなニーズに対して開発するか
・商品スペック
→デザイン、サイズ、機能、価格
・販売戦略
→商品スペックに対して、どのような場所でどんな売り方をするか、またその際にどんなエビデンスが必要かを検討
・収益試算
→いくらで何台売って、年間あるいは、数年でいくら売上、利益が出るかを表にします。
・スケジュール
→開発全体の販売までのスケジュールです。振り返りも含めると、参考までに、販売から1年後の振り返りスケジュールまで記載すると良いと思います。
〇商品設計
商品企画立案とスケジュール的にはラップする部分もありますが、商品企画のスペックの内容ができそうな技術なのかどうかの目論見をまず建て、その後に設計を進めていきます。
一般にDR(デザインレビュー)といわれる関門があり、開発上長、関連部門などと開発を進めていく中で、このまま次のステージに進んで良いかどうかの判定会議が行われることが多いです。例えば、設計が完了し、金型投資をしてよいかどうかのDR、試作が問題なく終わり、生産してよいかどうかのDRなどがあります。
生産が始まれば、一旦は設計完了です。(生産不具合があった場合はこの限りではありません)
〇商品生産
設計が完了すれば、次は商品の生産です。
商品を生産するにあたっては、生産するための設備の準備、作業指導書の準備、検査貞順書の準備をを経て、本生産→出荷検査→出荷。
生産するための設備などは、リードタイムがかかるものも多く、じゃ明日からよろしく!ではできません。よって、商品設計の最初の段階から、構想については一緒に検討しておき、事前に設備発注をしておく必要があります。
まとめ
今日は商品開発について書いてみました。正直1記事ではまったく書ききれません。なので、今後も色々とそれぞれの業務について、詳しく見ていきたいと思います。
今日はこのへんで!では!