私は玩具、家電業界に気づいたら20年いるメカニカルエンジニアです。
よく商品開発の最初の段階で、この商品はプロダクトアウトだ!いやマーケットインが重要だ!とかいう会話がなされます。きっとこれは玩具や家電以外のジャンルでもよくかわされる会話かと思います。
しかし、私の考えは”マーケットインでユーザーニーズをつかみ、プロダクトアウトでユーザーニーズを超える!”です。
今日はこのあたりについて、深堀していきたいとおもいます。
プロダクトアウト って何?
一般にプロダクトアウトとは、メーカーが開発した技術先行型の商品開発です。つまりユーザー視点の前に、メーカーがこれが最新の技術を搭載した商品です!といったようにメーカー論理が主導にたっている考え方です。ひと昔前はこのような考え方が主流でした。
例えば、車だったらどれだけスピードがでる車かとか、どれだけ馬力があるとか、カメラだとどんだけ高画質だとか、技術の数値競争でメーカーがしのぎを削って開発している感じです。
よくメーカーの強みをさらに伸ばすような開発とかは良い例かとおもいます。
マーケットイン(カスタマーイン) って何?
一般にマーケットインとは、ユーザーのニーズおよび欲求にこたえる商品開発です。商品を使っていて、こんな困りごとがあるからそれを解決する商品!とか、こんな風に使いたい!といった欲求にこたえる感じです。
例えば、ロボット掃除機などは良い例かもしれません。技術としては最先端でなくとも、とにかく楽したいユーザーニーズに合わせて、技術を組み合わせて市場に投入し、ヒットを生み出してきました。
プロダクトアウト マーケットイン のメリット・デメリット
では、それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
〇プロダクトアウトメリット
・どこもやっていない技術開発ができること
・他社がまねできない強みを生かすことができること。
〇プロダクトアウトデメリット
・ユーザーニーズにマッチしないと、どれだけすごい技術でもうれないこと
・独りよがりな開発で無駄が多いこと
〇マーケットインメリット
・時代の流れをつかみ開発するので、はずれが少ないこと。
・お客様の期待に直接答えれること
〇マーケットインのデメリット
・他社もまねできるようなことが多いこと
・ユーザーニーズ調査が大変なこと。ユーザーの深層心理まで調べないといけないこと
メリット デメリットを踏まえた 私の考え=”ユーザーニーズを超える”
昔はプロダクトアウト、今はマーケットインといわれますが、私は両面必要と考えています。
商品開発において、入り口はマーケットインでお客様のニーズをとらえることはとても重要で、しっかりとユーザーの意見をくみ取ることが大事です。さらには、ニーズの深堀も必要で、端的におもっているニーズの根底にある思いをくみ取ることが重要だと思います。
次に、それらに応えるわけですが、単に答えるだけだと、ただのマーケットインになり、他社にも真似できそうな商品になりがちで、技術の進化が止まりそうであると感じます。そこで重要なのがプロダクトアウトの思想で、自社の技術を生かした最先端技術で応えることで、ユーザニーズを超え、お客様をびっくりさせてあげることが重要であると思います。そこには、技術の進化が不可欠であると考えます。
結果、ユーザーニーズをとらえた、他社にはない技術をお客様に届けることになり、時代・ユーザーに合わせてた商品が開発でき、売れる商品づくりができると考えています。さらには、技術の進化はさらに進み、ユーザーが想像だにしない未来を作り出すことができるイノベーションが生まれると考えています。
結果、両方必要なのです。と、私は考えています。ニーズイン・オーバープロダクトアウトみたいな感じでしょうか。
参考までに。
では!